税関の事後調査

税関の事後調査。

「うちには関係ないしー」などと思っていませんか?

 

実は輸出入の実績があれば、他人事ではないんです。

 

調査実施日の案内が長くて10年の間隔でやってきます。

そんなとき慌てないためにも日頃からの業務を気を付けてこなしていきたいものです。

 

実は先日その事後調査に立ち会いました。

その時の経験からわかった事を記していきたいと思います。

 

そもそも「税関の事後調査」とはどういったものなのでしょう。

・輸出入通関後に税関職員が輸出入者の事業所等を訪問して、税関に申告された内容を保管している帳簿や書類等により確認を行う制度のこととなっております。

・税関による調査、すなわち国家公務員による調査となりますのでその結果については法的拘束力が伴います。

 

 

 

対象は輸出入者とはなっていますが、ほとんど輸入者への調査が主だと思います。

簡単に言いますと、過去に申告した課税対象物品が正しく課税されていたのかを詳細に調べて差額があればそれを徴収する目的なのです。

もっと言いますと、脱税があったのかどうかをしらべるのです。

ですので最も重い場合には脱税の罪を負うことになってしまうのです。

 

そう考えますとかなり怖いものと思われますよね。

 

結構、バタついたり虚勢を張ったりして調査官へ抵抗したりしてしまいがちですね。

 

 

通関が終わって貨物を受け取ったらうまくいったということだけでは貿易実務は完了しないということになります。

この辺の知識も貿易実務のハードルを上げる要因ですよね。

 

では、日々の業務をどうしたら良いのかなのです。

 

1.適正な輸入申告をする

 大体の方は輸入通関については通関業者に依頼されていることと思いますが輸入者にしかわからない情報が抜けていますと通関業者はコマーシャルインボイスを基に通関申告をしてしまいます。

その輸入者にしかわからない情報が課税対象品であった場合には調査の対象となってしまいます。

 

よくある事例

・実際に支払った金額よりもインボイス価格を下げて申告する

・海外工場で生産するための部品を日本から無償提供し完成後輸入したときの材料価格の申告漏れ

・梱包資材や部品の一部をコンテナに入れインボイスに記載していない

・仲介者への手数料の申告漏れ

・値引き処理された製品の単価を正しくインボイスに記載していない

・ライセンス料の申告漏れ

など

 

2.貿易に関わる書類、データの保存

 これらの書類は最低5年間の保存の義務があります。

 通関がおわったからもう・・・などと思わずに保管しておきましょう。

 必要な書類とは

・税関関係書類(輸出入許可通知書)

・通関関係書類(注文書、インボイス、パッキングリスト等)

・経理関係帳簿(総勘定元帳、仕入台帳、銀行決済書類等)

・法人税確定申告

・消費税確定申告書

・取引に関わる電子メール等、電子媒体の記録

・会社組織図

特に気を付けたいのが、取引に関わった際に取り交わした文書やメールでのやり取り。

これって、時間が経ったら消してしまいがちですが、残しておきましょう。

紙でも電子媒体でもいいです。残しておきましょう。

 

3.分からない事、やちょっとでも不安な事があっらた通関業者や税関に問合せをしましょう。

 通関は上手くクリアできても事後調査では簡単に見つかります。

 

以上の事を念頭に置いて日々の業務をこなしていれば、事後調査が来ても何も恐れる事はありません。

むしろ何がいけなかったのか教えてもらう位のスタンスで臨めばいいのです。

 

具体的にはまだまだありますが、今日はこの辺で。